第3話

だから、その後無事に、元気に生まれたあたしの弟…。


太郎と双子は同い年。



早生まれのあたしだけは、歳は二つ。学年だと三つ上。




あたしが生まれて初めて抱っこした“楓”は、目のまんまるな、とても可愛い男の子だった。



とても重くて、暖かかった。




あたしはその、小さな暖かい命を大切に、大切に、見守っていこうと小さな胸に誓った。







なのに。




なのにぃ…っ!







ガチャ



「なにお母さ、…え?…あ!?~~~っ!?!?」





「あ。わりーわりー」



言葉の割には全く悪びれた様子は見せず、ぺろ、と舌を出すこの男の子。





そうなのです。




あの、“楓”なんです。








「…いっ、いやぁあああ!!!!」

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