第111話
私は瞬きをした。
私は、青桐学園のことをよく知らない。一般的な、所謂有名校、そして超お坊ちゃま校並びに超エリート校である…ということくらいの認識。ここまで貴章、高橋さん櫻井さん…と青桐出身の方が並んだことで男子校なのかな?という予想くらい。
今そこに梅ノ宮さんが加わったことに関しても、会長だか社長だかの息子さんなのだから頷ける…その程度の反応だったのだけれど、小さく目を丸くした高橋さんが櫻井さんへ返したのは
「ウメノミヤサンって何才(いくつ)?」
この言葉だった。
櫻井さんは「今年30?だったかな」と、淡々と返した。
今度は高橋さんが瞬き。ゆるりと前へ向き直す。
「わーー……」
「ハッ」
流石に私も気が付いた。
貴章も、青桐出身の『今年30才』……?
貴章と梅ノ宮さんの二人は、
同 級 生――――?
「因みにみゃーからの伝書で阿部さんにいるとされているふたりのお兄さんは青桐ではなく普通の一般校らしいんだけど、」
「ぐぇ…まだあるの」
「ん。相良よりも彼女に先に、しかも今に始ったことじゃなく手を出したと自ら口にしたくらいだし一応…彼女のひとりのお兄さん、『朝希』さんも相良や彼と同い年ってこともあったから名前を出した」
「えー怖い怖い怖い、何その偶然」
「俺もそう思って何かその三人に関係があるんじゃないかと予想は立ててたけど」
「けど、何」
高橋さんは顔を蒼くしている。
「ひじり?」
口籠った櫻井さんを促している。
「ちょ、ねぇ!!!!聖!?ひじりちゃん!!?」
「違った……。霙さんが関係を持っていたのは、『朝希』さんの方じゃなかった」
「え」
「もう一つ年が上の――『阿部 瑛都』さんの方だったんだ」
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