第65話
「はいー」
物凄い音がしているのに大人対応な相良さん。凄いなぁと感心している間にも悪い音を立ててドアは開かれようとしている。
「う、うみちゃんー」
このままでは相良さんがうみちゃんに怪我させられてしまうと思い、小声で彼の名前を呼ぶ。
「!!かんなちゃん!?」
相良さんも開けようとしている鍵を尚も切ろうとしていたドリルの音が止んだ一瞬の間に、これまた別の物凄い音を立てて開けられたドア。
「かんなちゃん!大丈夫!?ねぇ!○禁!?KAN&KIN!?「大声わざと?」
「あ?…誰おまえ。何でかんなちゃん抱いてるわけ?」
「三つくらい理由あるんだよなぁ」
「すごいやばい奴じゃん」
「はじめまして。へぇ、姉貴に似て可愛いなー」
「エッ可愛!?」
「下ろして土下座するか下ろして土下座して警察行くか選びなよ」
「うみちゃんん!!」
玄関に入ったうみちゃんにだめ、だめと首を振り、相良さんにあの、下ろしてくださいとお願いする。
けれど相良さんはにこりというかにやりというか笑顔を見せてうみちゃんに向き直っただけ。
うみちゃんは、いつものようにキラキラを撒き散らして相良さんを睨みつけている。
「んー、と。俺は休みだからいいけどお前の姉ちゃん仕事だから」
常の爽やかさは変わっていないのだけれど、どこか目の奥が笑っていない相良さんの言葉にぐぬぬと鍵を取り出したうみちゃん。
抱かれたままの私の手首の鍵を外して相良さんの手の平に鍵を突き立てた。
「イタ!」
「うみちゃん!!」
「俺も仕事…だし今日は昨日の後悔…とかんなちゃんの為だけに来た…だけだし、…。チィッシネェッ!!!!」
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