第63話
うみちゃんは早朝にも関わらず繋がったまま外れないと説明した直後『繋がっ……?誰と』と呟き、カップラーメンが出来上がるまでには着くよう飛んでいくから待っててと電話を切りました。
「弟だっけ。来れるって?」
「はっ」
「あべの弟か…」
「?あ、あのっ」
「ん?」
「相良さんもごきょうだい、い、りますか」
「いりますか?」
「ごごめんなさい!噛んでしまいました」
相良さんは笑って、いりますよ?妹がひとり、と答えてくれた。
「…どんな妹さんですか」
相良さんの、妹さん。
初めて聞いた相良さんのことに、どうしてだか胸がドキドキと音を立てた。
「デブ専で……あ、あべと同い年……、……。あべ、トイレ行きたかったり顔洗いたかったりするならおれ付き合うけど」
「ぎぇ!?」
答えの途中で相良さんは私を待ってベッドから立ち上がり、向かい合わせに立った。
「割と鎖長いから。生活に支障ないくらいだしなー」
そう言いつつ突然の展開に話を逸らされたことにも気づかない私はカチンコチンに固っていた。
「着替えたいなら着替えさせてあげますけど? お・じょ・う・さ・ま」
にこ、と。
いくら冗談ぽく笑っていたとしても、私にはシゲキが強すぎて。
「ああ、それとも、俺の。着替えさせてくれる?…メイドさん」
彼は、空いた方の手でちらりと服を捲った。
私は見事に、再度ベッドへと墜ちていった。
「う、わっ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます