第54話
「な」
何がしたいのお前と問おうとして、固まる。
阿部は、いつか親戚の赤ん坊にそうやられたように胸元にぐりぐりと額を押し付けてきた。
……っ銃で撃たれるほどかわいいなァおい!!?
「阿部、何」
あくまで冷静を装う三十路。
「あべ?」
やばい、負けそう(さっき理性適わなかったばっか)。
「んー…んん」
ぐりぐりぐり。
ぐりぐりぐりぐり。
また、理性という名の壁を突破されそうになっているのに耐えているとぽやっと顔を上げられた。
衣擦れで朱くなった額が散らばった前髪を避けて覗いている。
更にそこを擦りたいと指先を伸ばしたら「おじさんなぁ?」と間延びした声を聴く羽目になった。
「お酒飲みたいよ」
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