第42話

少し促すように洗面台の前に立って冷えた手を更に冷やされた水に晒す。



冷たいかと思ってお湯にしようとしたけど、阿部は冷たいとは口にしなかった。





……というか、あれ?




彼女が水に差し出している左手首に手錠?みたいなもの掛かってるんだけど……。




幻覚?じゃないよな?




え?




なにこれ。いつから?



いつの間に?






鏡越しではなく目が合って。





俺は、瞬時に疑問を置きに走った。




こっちが、先だ。

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