第35話

どういう意味だろう。




するりと髪を離れた指先が今度掴んだのは私のほっぺ。




相良さんの気持ちが、わからなくて、続きの言葉を紡ぐ。




「私は、ずっと相良さんが好きです」




これ以上好きになることはあっても嫌いになることはないから。



ないから、いい。



「は…?」




「けど相良さんはいつか……こういう汚い私を知って、嘘でもすきだって、言ってくれなくなります」





その瞬間が訪れることが、一番怖かった。





「……それの、どこが汚いの。そんなこと言ったら俺阿部みたいにもやもやどころじゃねーよ?どろっどろのぐっちゃぐちゃに汚いですよ――さっきの奴にだっ「相良さんは!!!!きれいです!!!!」





「……ワタシ、キレイ?」

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