第27話

一言の、謝罪の言葉なのに。





「ごめ――」





だって、吐き出したらきっとこの恋は終わってしまう。



ずっとそう思っていたから。







だからこそ、押し出すように言いかけたその時。





私の口を覆った冷たい手。




時を待たないで、屈んだ相良さんの唇がその手のひら越しに、私の唇に触れた。

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