第12話
「あ、そーだ…さっきの、一月もあと一週間だなって言った続きなんだけど」
「はい」
変わることなくそっぽを向いたままの相良さんを見上げれば、その横顔の背景に星が浮かんでいる。
私も、あと一週間。
その一週間のことをお話ししようと思っていたから、なんだろうと思った。
「俺来週の火水、休日調整で振替もらって――」
火曜日、の。お休みだって話。
思わず、急く心で口を開きかけた。会社の帰りでもいいなって思っていたけれど、お休みなら――
目の前の信号が、点滅から、赤信号に変わる。
言おう。
お誘いしてみよう、と小さく手の平を握った。
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