第3話

「い、命かけるの」



「…命かけるよ」



にこりと微笑んで灯の手を握り返すと、冷たい手の持ち主はテレテレと汗を飛ばし始めた。



「へへ、うへへ」


「よかったですね宇乃さん」



そんな彼女を見つめて言う河合にうんと頷いている。よくわからないけど、何でかこいつらが幸せそうで純粋に嬉しかった。



「ありがと」


「え」



「ま、話は触りたくて仕方ないって話だけど」



「戻したよこの子」


「戻しましたね」


「…戻すだろ。解決してないから」



よくテレビで子犬とか見てかーわーいーいーって言っているようなこと、あまり思ったことなかったけどやっと理解した。



可愛いって、ああいう感情か。



「一々しにそうになる…」



額に手を置いて顔を伏せる俺の前で顔を見合わせたふたりは触らせてもらえばいいよと零し始めた。



なんか、へんたいくさくないかなソレェ…。

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