第16話
――――――――…
「生野くんってさ、誰も気付いてないと思うけど興味ない人の話は九割方聞いてないし返しも適当だよねぇ」
「……」
『うわ、帰りたくなさそー』の声に振り返った退勤直後。
勝手なこじ付けの誘い文句だとは思うけど、いつもなら会社の付き合い以外では乗らないような誘いに乗ってざわつく居酒屋に居た。
強ち、間違いでもなかったから。『帰りたくなさそう』。
「初めていわれました」
声を掛けてきた八階の商品課、企画部の高橋さんの方を向きながらジョッキから口を離す。
「おー、身内にそういう時の生野くんとちょっと似てる奴いるから何となく」
「へー」
相槌には言葉なくにこりと返されて、彼の口角は緩やかな弧を描いた。
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