第15話

side,syono.







「生野さん、おはようございます」





給湯室の前を通り掛かったとき、中からの声にふと足を止めて顔を覗かせる。




「ああ、おはようございます」




笑顔を作って微笑うと、中で恐らくお茶を汲んでいた女性社員がはっと目を瞬かせた。




「?」


「きょ、今日は眼鏡なんですね…!」




“というか生野さんって眼鏡掛けられる方だったんですね”と、続けられる言葉。



「んー…」



曖昧な返事にはにこにこしていたけれど、引き留めての私語を気に掛けた女性社員は口を開いた。





「あ、引き留めちゃってごめんなさい。会議お疲れさまでした」




「いえいえ――」

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