第8話

私が更なる戸惑いに息を詰まらせると、その間も与えず身体を起き上がらせようと腕を引く。


「ちょ、まって……!」



「暫く家来なくていい」




「何…っ」




「…何?」




吐き出された言葉に、息を呑む。



引っ張り上げられていた腕を乱暴に解放され、再度シーツの上に落ちるのを追って彼の手の平が私の顔の横につかれた。





「どうせするくせに」





目を見開いた時には一佳の長い指がするりとスウェットを下げ、膝を立てた私の間に割ってはいって震えを愉しむように呟く声が聞こえた。





「電気。消すつもりないから。頑張れ」

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