第6話

― 相良貴章Presents ―




日曜日の夜、流石に疲れが溜まっていた。



ただ。

家に帰れば阿部がいるはずだから、それを考えただけで疲れが吹っ飛んだ。


何で空が飛べないんだろう…。



早く会いたいと思いながら、暗闇を走る新幹線の中、目を閉じた。







「ただいまー」



もしかしたらもう日付の変わり目だし眠っていると思ってインターホンは鳴らさなかった。


玄関に立ち入っても明かりの点かない廊下。



奥のリビングは電気がついているから、そこで寝ちゃったかと思いつつ自室を通りすぎて足を運んだ。




ソファを覗くと、やっぱり阿部は、眠っ――――



!?




え、


あ、



に、ニット被ってる!!!!





「な…ぁ……っ」






――――悶絶。


鞄の落ちる音が、フローリングに響いた。





阿部は(俺の)ニットにすっぽり包まれて寝息を立てていた。



ソファに寄り掛かって眠っているところを見ると、多分考え事でもしながら眠ってしまったようで。




「~~~~~~っ」




言葉にならない想いを押し殺して、一度壁に頭を叩きつけて戻ってきた俺は出せる限りの理性を発して阿部を抱き上げ、部屋に寝かせておいて、後々飯を食った。



美味しいのに、食った気がしなかった。

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