第2話

少しツンとするような胸のときめきにはまだ、慣れなくて。こんな気持ちを感じてもいいのだろうかと、臆病になったりもする。




私は瑞々しいグレープフルーツを立てかけてあった紙袋に詰め込んでいった。


あまりに多すぎるのもあれか、なんてどうでもいいことを考えたりしている。




結局二つに絞ったグレープフルーツが入った袋を持ち上げ、私は玄関へと急いだ。









ピンポーン




チャイムを鳴らして数秒。まだ彼は出て来ない。






「(……あ、)」






じわ、と心の中に広がった気持ちに、指先は小さく震えた。



この感じ。


懐かしい、と。




今急に、思ったのだ。

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