春走り
お隣さん
第1話
――――――……
リリリリリ
夢の遠くで目覚ましの音がして、そこに向かって飛んだら、もう朝。
ベッド脇の小机に置いてある、淡いサーモンピンクの目覚ましに手を伸ばし、音を留める。
カーテンを開けなくても、もう暖かい陽は昇っているということがわかって、少しだけ頬が緩む。
そんな四月のある朝。
ベッドから出ればまだ肌寒いことを感じ、床からその冷たさを感じないように履いたスリッパの音を立ててすぐ、キッチン横の段ボールに足が当たった。
目を留めて。
思い出すのは勿論、大切なひと。
送り主が実家からのその段ボールを開けば、大きく鮮やかな黄色を魅せるグレープフルーツが顔を出す。
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