第3話

あらすじ


 OLの宇乃灯。或る春の早朝、ベランダの方から大きな物音がして覗いてみると、マンションの“お隣さん”との間の壁がぶち破かれていた。複雑なご挨拶をしに訪ねると申し訳なさそうな好青年が出て来る。どうやらわざとでは、悪い人ではなさそう…?


 会議中、周辺部署の新入社員が紹介された。その内の一人として例の壁をぶち壊した彼が紹介され、驚愕するも、更に青年は灯の在籍する商品企画部の部長に就任するという。初対面の時とは別人のように冷たい青年の名は花吹太郎。確かに昨日聞いた名前と同じだった。


 お隣さん・花吹の目立つ容姿も相まってあっという間に広がる噂の中に、花吹が裏口入社したとの噂を耳にしてしまう灯。お隣さんとしての朗らかな花吹と、社内での灯を寄せ付けない冷たい花吹。どちらが本物なのか、朗らかな花吹は嘘なのか。疑心暗鬼になり花吹本人に対しても刺々しい態度をとってしまった後で上司から事の真相を聞く。そんな中、ストーカー被害に遭う。

 救ってくれたのは、また新たな一面を魅せる花吹だった。この一件を機に、ふたりの距離は縮まる。


 その一方で、灯は社内で同僚から嫌がらせを受けていた阿部という女性社員を助け、制裁として従弟の大学生・瞬に動いてもらう。

 阿部と瞬、花吹と瞬の出逢いを経て、灯の『花吹の裏口入社』の真相を聞いた回想に入る。花吹には大学時代、企画に行き詰まった部を救った過去があったのだ。


 とある休日、風邪っぴきの瞬から電話を受けた灯は自分の代わりに大学へのお遣いを頼まれる。瞬の友人・善と共に潜入した大学には何故か花吹の姿が在った。思わず正体を隠す灯。花吹の天然は炸裂する。


 社内では灯の同期である河合が年末恒例の新入社員歓迎会含む忘年会の準備に勤しんでいた。企画を任された河合は“美人が多い”で有名な商品企画部を中心にそれを生かした仮装大会を目論み、周辺部署のイケメンを嗅ぎ回ってはメモを取り、調査していた。

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