第4話
んん?
何かがおかしい。けど、スッキリした筈の頭がそのおかしいことの把握に追いつけていない。
視線はそっちを向いているのに夢かもしれないとさえ思った。
ドアを出て右手にある、お隣さんとの隔たりの壁。
に、穴が開いている……。
というより破壊。破壊されている。
「エ?」
まさに目が点になった瞬間だった。
壁の穴は人が通れるくらいの大きさで開いていて、その枠と化した壁を隔ててお隣さんのベランダが見える。
土だらけのベランダ。
まさか、空き巣!?
いやいや。
うちは一応オートロックだし、空き巣だったとしても偶然数少ない空室を狙ってしまってなんてそんな恐ろしくドジっ子なことはないだろうからきっと管理人さんが仰っていたお隣さんが越してきたにちがいない。
昨夜私は土曜の残業に疲れて帰って来るなりシャワーを浴び、すぐ眠りについた。
ということはもしかしたら昨日の日中越されて荷解きでもしていたのかもしれない。
…とにかく、この壁どうするんだろう。
どうしよう。
とても不安だ。
引っ越し早々壁をぶち破る趣味の、ラ○ウみたいな人だったらどうしよう。
走って逃げれば大丈夫かな。
追いつかれるかな。
ラオ○って、足速いのかな。動作を停止して突っ立ったまま考えた。
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