第2章 魔法の世界
第14話 束の間の休息
タカノとの旅から帰ってきて、1週間。
掟ギリギリのことをしたことがバレた俺は、膨大な量の仕事に追われていた。
「あーーようやく、これで最後か」
グッと背伸びをする。
書類を出すついでに散歩でもするか。
俺は長の屋敷にいるシュウに書類を渡して、家とは逆方向に歩き出した。
途中出会った人たちと雑談を交えながら適当にぶらついていた時、ふいに、地面がグラっと揺れた。
地震か?!
そう思って地面を見ると、土が小さな波をうっていた。
こんな妙な動き、どうみても地震ではない。
「あいつの仕業か」
そう思うのと同時に耳につけているイヤホンからコツコツコツと音がした。3回なったってことは長からだ。
俺はコツと一回イヤホンを叩く。応答した、という合図だ。
前置きなく、「ツチネをなだめに行ってくれ」とだけ伝えられる。これは風の魔法が使えるやつが準備してくれた特殊な道具だ。一方通行でしかないので文句が言えないのが難点だ。
どこぞの異世界で見た『電話』ってやつがうらやましい。
まぁ、それはないものねだりってやつなので、おいといて。
「やっぱり、あいつかよ」と、ため息がでる。
俺は1回だけコツ、とイヤホンを叩くと土の波の中心地へと急いで向かった。
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