第7話 健康ドリンク
「アミー、もう良い時間だ。起きて食事をするといい。朝食の用意をしておいたぞ。まずは顔を洗って髭を剃るのだ。風呂に入るのも良いかもしれん」
アミーこと
ただし今日だけは、特別な日であったことを目が覚めた彼は思い出した。
「おはようイクちゃん。どうして俺の部屋に居るのかは聞かないよ。まだ朝の7時だし、具体的な時間は決めてなかったけど、遅刻とかじゃないよね?」
アミーとしては、イクちゃんこと
そしてベッドの横のちゃぶ台には、作りたての朝食があって、狭いキッチンには
「遅刻はないから安心してほしい。あそこに居るのは『
イクちゃんから言われたので、アミーはモソモソとベッドから出ると、洗面所へとパジャマのままで向かった。
助けてくれと頼んだのは自分だ、という自覚はアミーにもあったが、だからと言って、いきなり人の生活スペースに押し掛けないでほしいと彼は思った。
アミーが顔を洗い、さっぱりして戻ると、
ちゃぶ台の上のトーストとベーコンエッグの横で、黒子さんがコーヒーを
「すごく美味しいパンだ。こんなことまでしてもらって何だか申し訳ないよ。あ、ありがとうございます」
黒子さんの用意してくれた朝食は、シンプルながらプロの味がするという満足のいく内容だった。バターとコーンスープまで出てきたので、途中でお礼まで出てしまったのである。
「シャワーを浴びるとか何とかしたら、早速だがスコーンを焼いた女性の家に行ってみよう。
アミーとしては、独身の30歳男として今の内容に少し
「アミー、ここは
続けて出てきた、美人の部類に入るという情報を聞いて、アミーはますます弱ったが、イクちゃんの出して来た小瓶にとりあえず目を向けることにした。
小瓶のラベルには『健康ドリンク 男働き
「ありがとう、イクちゃん……。これ、メーカーの名前とか無いけど、中国とかで作ってるヤツかな? うちの地元にこういうの作ってる店があるとか?」
アミーは冷静さを取り戻しつつあった。相手は、土地神様のような存在でとにかく普通ではない。
そういう存在が出してきた健康ドリンクとは、
ドリンクの名前の方は、万人が
「うむ。説明は必要であろうな。それは私のところで作っておる物だ。効果としては積極性が少し上がり、社会人として
イクちゃんの今の説明を聞く限りでは、アミーにとってデメリットというものは無さそうだった。
今日の相手は普通の女性ではなさそうであるし、アルコールでもない為、景気付けに飲むには良い物かもしれない。アミーはそう思った。
「それじゃ飲ませてもらうよ。どうやって訪ねようか、実は考えてないんだ。何か良い知恵は無いかな?」
「アミーはマンマーTVの社員なのだろう? 私のいる
アミーこと
イクちゃんは土地神でなくても、普通に地主さんである可能性はありそうだった。
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