第4話 お供え物
その日の彼は、仕事が終わって帰宅するなりパソコンにかじりついて、あることを調べ始めた。
「あそこは確かに神社だった。何であんなことしたのか分からないけど、俺はアレを食べちゃったんだ……」
普段は気にも
「やっぱりこの街は変な事が多すぎる。趣味で神社地図を作っている人でも、この街に普通の神社が無いことを不思議がってるしな」
神社について調べ始めた
彼も昔から何かが変だとは思っていたのである。日本の普通の街には、あんな危険な野生動物たちは出ない。
そして神社の数にしてもそうだった。日本国内における神社とは、大小含めてコンビニよりも数が多いのが普通なのだ。この
「そうか、
このアパートは山の斜面に建っている。神社は登ってくる坂の途中にあるのだ。この物件も意外と危ないのではないかと
「やっぱり
その神社に祀られているのは
神の名前からして尋常ではない。万の字を使うのは良い。だが魔という字はあまり使われないのではないだろうか。狗という字は山神を指しているように思われ、そして
「やっちまったかもしれない。何であそこにあの晩、スコーンなんかが置いてあったんだろう?」
平たく言えば、約8ヶ月前の問題の晩、彼は神社の前にお供えとして置いてあった、具入りスコーンを食べてしまったのだった。具がミートボールだったことまで思い出す事が出来た。
「多分だけど、全部があそこから始まったんだ。そうとしか思えない。このままだと、俺は死ぬかもしれない……」
今日も金曜日であることを思い出した
「嘘だ……まだある。いや、またあるって言うのが正しいのか? 誰がこんな物を置いてくんだよ」
もう20時を過ぎた時間だ。すっかり暗いその場所で、何を探せば良いのかも分からない
公式ゆるキャラになってしまった『マンマイッちゃん』のカワウソの様なイラストが下がる鳥居をくぐり、
そこで彼は、神社の
「そんな……でも、どうしよう。ここで何をすれば許してもらえる? ここは本殿も、そう言えば
「神様、助けて下さい。このままだと俺は死にます。お礼とかどうやれば良いのか分かりませんが、でも助けてほしいんです」
「ひょっとしてここに置いてあるスコーンを食べてしまったのか? それでどうだったのだ? 現状を教えてほしいのだ」
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