第3話 繋がり
秋には話題になった『万魔祭り』については、字面のインパクトもそれなりにあったものの、閑静な田舎の祭りということもあってそこそこの人気で終了した。
大企業4社の工場については建設中ということもあり、こちらの結果については判然としない状況であったが、操業が始まってしまえば当たり前の風景になりそうな勢いだ。
彼としては会社が大きくなるのが一番嬉しかったが、こちらについても彼自身が隣の県に行くようなことは無く、業務は前よりも広く静かに回り出して落ち着いたのである。
「先輩、大きいメーカーが来てくれるって意外に良いことですね。寮にうちの有線引いてくれるって。こういう大口契約って初めてですよ。しかも4社もあるし」
「アミー、こういう波及効果ってな、馬鹿に出来ないもんなんだ。この勢いで映画チャンネルとか売れると良いんだけどなぁ」
そして2人ともマンマーTV万歳とか言いたくなったことだろう。嬉しいことに、それぐらいの契約戸数はあったのである。
一方で、彼らのケーブルテレビ会社の周辺は、商店街の盛り上がりも落ち着きを見せ、もう少しハッキリ言ってしまうと売り上げが落ちて元に戻ったようだった。
「ここも半年前は良かったんですけどね。先輩はここに買い物に来ますか?」
「ここか? そう言えば最近は来てないな。うちの嫁や子供も前ほど言わなくなった……あの盛り上がりって何だったんだろうな? ってアミーィィィ! 危ない!」
「先輩? どうしたんハギョレモォォォ!」
顔を
「アミー、君の主治医としては無視出来ない入院回数だよ。顔の
最近お世話になりっぱなしの医師からは、日本国内の地方都市に住む者とは思えない台詞が出てきたが、実際にそういう部分が無いわけでもないので
彼にしても、どうして交通事故の話じゃないんだろうとは思った。だがここはこういう街で、またもや獣害だったので災害保険は適用されないのである。
結局、
「お帰りなさい、アミー先輩。去年から酷い目にばっかりあってますけど、お
「心配してくれてありがとう。失明とかは無くて助かったよ。ところで、会社に来るときに商店街を見たんだけどさ。また、何かやるのかい?」
商店街の入り口のアーチには派手なノボリが
「それが先輩が入院中に、マスコットキャラの『マンマイッちゃん』が県の公式ゆるキャラになったんです。結構人気が出たらしくてお客さんが戻ったみたい」
ここの土地神様である
ここに来て
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