第23話 VSオースティン
「なんだ?───水、か?コレは……ぬ?!」
オースティンはそう言いながら地面に溜まっていた水に触れ、そして───、
「ミッドランド!あたり一面吹き飛ばすぞ!」
即断即決、一瞬でその判断に至った。
「了解!アタシに任せろや!」
ミッドランドは即座に自分の形を剣の形に変化させ、そのままオースティンの手の中に収める。
「ウォォォォォォォォ!!!剛破天ミッドランド・スマッシャー!!」
巨大な両手剣の形をとるミッドランドの銀色の刀身から光が溢れ出す。
そのエネルギーは渦を巻きながらあたり一面を即座に吹き飛ばした。
ビー、ビー、ビー、ビー
警報が鳴り響き、次々と兵士がなだれ込んでくる。
それをオースティンは制止させ、そして……。
「貴様らっ、侵入者が魔法を使って攻撃してきている!ここ以外も危険だ。 早く対処しろ!」
そう叫ぶと、再びミッドランドを振りかざして水を吹き飛ばしていく。
その動きは的確かつ優れた判断だと僕は思ったわけなのだけれども。
「くそっ、どこから攻撃を───そこかぁ!」
おっと、危ない。
僕がゲートを移動させるのと同時にゲートがあった場所目掛けて光波が飛んでくる。
ふむ、どうやらあのオースティンと言う男は舐めてはいけない存在のようだ。
あの水の危険性に一瞬で気が付き、挙句の果てに見ないはずの僕の場所目掛けて攻撃をしてくる。
挙句の果てに魔法使うミスティナが眠っている場所の近くなのに、まるで気にすることなく攻撃をしてくるとは……。
ふ、ふふふふふふふ。
案外いい奴が居るんだねぇ。
いいだろう、やつの強さを僕がしっかりと確かめてやる必要があるな。
僕はにやりと笑うとゲートの中に飛び込むのであった。
_________________________
「やぁ、こんにちは。 初めましてでは無いんだろう?僕はカエデって言うんだ、よろしくねぇ?」
僕がそう言って挨拶をすると、オースティンもまた僕を見て、それから───、
「く、は……ハハハハハハハ!!!!何たる運命だ! まさか、いや、まさに、あの時と同じ男が俺の目の前に! こんな事があるのか、あるのだなぁ!!」
楽しそうであった。
まぁそれはいいので、僕は軽く手始めに魔法を撃ち込む事にしたのであった。
「カースド・ライトニング!!───おや、耐えるとは。 やるじゃあないか」
真っ黒な雷を受けてもなお、オースティンは倒れなかった。
「ふ、は、ふはははは!効くなぁ、効くぞぉその魔法っ!やるではないか流石は勇者! だがな、俺だって貴様を追いかけた男、その程度でくたばりはしない!!くらえ、勇者魔法──ホーリー・ストライク!!」
それどころか、楽しそうに勇者魔法を放ってきたのだ。
それは僕の使っていたそれとは異なり、威力も出力も控えめではあったが、しかし。
「カースド・ソリッドライトニング!!」
僕の少し上位魔法と互角の火力を見せたのだ。
コレはさすがに僕も驚いたさ。
「クハハ、この程度で俺を倒せると思うなよぉぉぉ!!ぬるい、ぬるいわァァ!」
──驚いたので、少しだけ僕は本気を出してみる事にした。
「やるじゃんか。 なら僕の本気の一欠片、見せてあげるよ君に────天蓋呪法 ミレニアム・カースド・レイ」
_________________________
「やりすぎたかな。 でもまだ1%も力を出てないんだけどねぇ」
僕の眼前には、闇があった。
地の果てまで届きそうな巨大な穴がそこにはできていたのだ。
天蓋呪法 ミレニアム・カースド・レイ
それは外界の魔法、即ち外なる神の力を利用した魔法であり、その出力はほんの僅かですら───3キロ程の長さの横穴を作り上げるほどのイカレ魔法なのである。
ちなみにこの魔法は外界の魔法の中の初級レベルの魔法である。
「まぁいいや。 一旦片付け終わりー」
【……ユークリプス滅亡までの時間が、大幅短縮されました。 ユークリプス滅亡まで後10分】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます