第47話 決着

短剣のみになったバウルは、追い詰められていた。

それもその筈、大剣と短剣の二刀流でも叶わなかった相手に、短剣一本など無謀に等しい。

そして、少しずつ後退りする中、遂に後ろが壁になって、もう下がれなくなった。

そして、香炉はナイフを突き立てた。

だが、そのナイフは致命の箇所を抉らず、肘辺りの鎧の接合部分を抉っていた。

そして、無理矢理 腕部分の鎧を引き抜いて奪った。


「俺の勝ちだ。鎧を全部持って帰るのは、大変だから腕部分だけ貰ってくぞ。」

「殺さないのか?」

「お前を殺すのは、一応ボスの許可が必要だ。勝った証拠だけ貰ってく。」

「そうか。次は負けないからな。」

「安心しろ。お前は俺に一生勝てない。」

「確かに一理あるな。」

「じゃあ、この道は通らせて貰うな。」

「好きにしろ。」


そして、十三の大騎士団の下っ端も道を譲り、その間を【conqueror】が抜ける。

その光景は、一般人にも見られていて、すぐさま大ニュースとなるだろう。だが、十三の大騎士団 隊長の1人が【conqueror】によって殺害!の方がニュースになりそうだ。



〜〜〜坂下・橘 隊〜〜〜


坂下と橘達は、【インベスター】の倉庫を襲撃し帰り道に、十三の大騎士団 隊長 バウル・クラウゼを退けたと報告が入る。

それを聞いた橘が坂下に話し掛ける。


「そういえば、ボス。何で槍使いを殺したのですか?大剣使いは生かしたのに。」

「十三の大騎士団の事か?あれは、槍使いが腐ってたからだよ。」

「腐ってる?」

「金を貰う代わりに、一部の犯罪を見逃す的な。」

「たがら、殺したと。なるほど。」

「これで名声は、かなり入るな。」

「下手したら、国が敵に回りますよ?」

「そんなの弾き返してやる。相手にこの抗争は、不利益にしかならない思わせて、いい感じの所で有利の条件で講和して、国を利用して更に勢力を拡大させるだけ。」

「凄い時間が、掛かりそうですね。」

「余りやりたく無いけど、流石に1人くらい殺してもいいでしょ。」

「国がどの様な対応を取るのか、分かりませんよ。」

「それも そっか。まぁ早く事務所に帰ろ。」

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