第35話 順番ミスった

今日の朝から、conqueror事務所前は馬車で埋め尽くされていた。

馬車は【クィーン・ナイツ】から借りた。下っ端が、馬車に新兵器や爆弾を大量に詰め込んていた。

一瞬だけ、新兵器らしき物が見えたが、ただの普通のデカい砲身にしか見えず、どんな新兵器か検討がつかない。

全てを積み終わり、アトリア郊外のインベスター事務所襲撃に出発した。

普通、襲撃は夜が定番と言うのは、どの世界線でも共通だと思うので、逆に意表を突ける。さらに、conqueror事務所襲撃から、そこまで日数が経っていないので、奇襲性は抜群だと思う。

隊列の順番は、案内役である クリストとルシナが先頭馬車。2番目は、荷物で満杯なので、運転手のみ。3番目は、小鳥遊率いる工兵隊員達。4番目は、正幸・彩芽・橘。5番目は、conqueror親衛隊員で、5つの馬車で50 人程度で襲撃予定だ。

そして、1時間くらいしてインベスター事務所に到着した。尻が痛ぇ〜車と違って、ビックリするぐらい揺れるため、尾骶骨が悲鳴を上げた。

双子が言ってた通り、山の上にポツンと立っており、見た目は中世ヨーロッパの城だ。

そして、少し傾斜が緩い所に、新兵器の大砲を置いた。


「彩芽さん、そろそろ親兵器の説明をしてほしいです。」


妻である彩芽にお伺いを立てた。


「ハァー。これは、大砲型のレールガンだ。口径は約30cmだ。」

「レールガン!あの電力がめちゃ使うやつ?」

「そうだ、本来アーク放電やらで、砲身がすぐにダメになるから、小さい銃弾しか本来撃てなかったが、口径を30cmまで広げ、弱点をほぼ克服し威力はおそらく世界一の大砲だろう。砲弾は、初速マッハ15を記録し射程距離は計測不能で、500km以上だ。」


開いた口が塞がらないとは、この事だ。そんな僕を置いて、発射準備を進めている。因みに双子は、わけわかめ?って感じだ。


レールガンいや、レール大砲か?まぁ取り敢えず発射した。発射音は静かで着弾する瞬間、彩芽が耳を塞いだ。僕も反射的に耳を塞いだ、次の瞬間耳を、塞いでもうるさく感じるレベルの爆音が轟いた。


事務所を見たら、デカ過ぎるクレータしか無かった。


彩芽さん、少しやり過ぎでは、ございませんか?


後書き

※レールガンとは、簡単に言うと電気で弾を発射し火薬を必要としない画期的な兵器。

一応、日本だけが成功しミサイル防衛の切り札として期待されている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る