図書館のメモ

こんにちは、中学校新聞部の佐藤です。今回は、先日図書館で見つかった「奇妙なメモ」について調査してみました。図書館内の掲示板に掲示されていた内容が、あまりに不気味で気になった人も多いのではないでしょうか。私もそのひとりで、新聞部の活動の一環として、この謎を追いかけてみることにしました。


掲示板には、図書館の本棚に挟まっていたというメモの内容が一部紹介されていました。メモにはこう書かれていたのです。


「もしこの図書館で、自分とそっくりな誰かを見かけたら、決して目を合わせないでください。そして、すぐにその場を離れてください。振り返るな。絶対に。」


このメモを読んだ瞬間、私は思わず背筋が凍りました。図書館という静かな空間に潜む、何か得体の知れない存在を想像せざるを得ません。実際、新聞部の他のメンバーの中にも、このメモを読んで気分が悪くなったという人がいました。


私は、図書館の司書の方にもインタビューを試みましたが、「誰がメモを置いたのかはわからないし、今も調査中だ」とのことでした。しかし、司書の方がふと漏らした言葉が気になります。「…こういうメモが見つかるのは、今回が初めてじゃないんです」。


つまり、以前からこのような不気味なメモが図書館の中で見つかっていたということです。さらに調査を進める中で、同じようなメモが少なくとも3つ、別の本棚で発見されていたことがわかりました。それらのメモにも共通して「自分とそっくりな誰か」に関する警告が書かれていたそうです。


そして、この話にはさらに奇妙な続きがあります。ある生徒が、メモを見つけた次の日、図書館で「自分とそっくりな誰か」を見かけたというのです。その生徒によれば、その「誰か」は図書館の奥の影の中に立っており、目が合いそうになった瞬間に恐怖で固まってしまったと言います。思い出しただけで鳥肌が立つ、と彼は話してくれました。


さらに奇妙なのは、この生徒の話が次第に変わっていったことです。最初は「影の中に立っていた誰か」だったのが、数日後には「私が立っていたんです」と語るようになったのです。「影の中にいたのは確かに自分だった」と彼は繰り返し語りました。周囲の友人たちも彼の様子に不安を感じ始めており、彼は次第に学校に来なくなりました。


その後、私たち新聞部のもとに、さらに衝撃的な情報が寄せられました。「自分とそっくりな誰か」に遭遇した者は、やがて死を迎えるというのです。過去にも同様のメモが見つかった際に、その後行方不明になった生徒がいたことが確認されています。その生徒たちは皆、最後に「自分とそっくりな誰か」を見たと話していたと言います。


私も正直に告白しなければなりません。私はこのメモを見つけてから、図書館で「もう一人の自分」を見てしまいました。最初は信じられませんでしたが、その姿を見た瞬間、全身が凍りつき、メモの警告通りにただその場を離れることしかできませんでした。しかし、その日以来、私は常に誰かに見られているような気がしてなりません。鏡を見るたびに、そこに映る自分が本当に「私」なのか、確信が持てなくなっています。


この文章を書いている今も、背後に何かの気配を感じています。振り返ってはいけない、振り返ってはいけない——その言葉が頭の中で響き続けています。でも、私にはもう耐えられません。

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