第12話 ギャルと後始末(2)
「龍炎尾!!」
「紅蓮凪!!」
二人のギャルが炎を撒き散らしながら舞っていた。
足下には大量の忍者が倒れており、二人は息も絶え絶えだった。
「ひぃん!ボク今日彼氏とデートだったのにぃ!」
「頑張れフウコ!負けるなフウコ!」
───ギャル流の忍者たちは連日戦いに明け暮れていた。
一人一人はギャル流の足元にも及ばない実力ながらも何日も渡って多数の忍者と戦うという異例の状況にキナコを含め皆疲弊していた。
「───じゃ、おつかれ~……」
「うぃ~、おつ~……」
肩を落として去って行くフウコの背中を見送りながらキナコは大きくため息をついた。
(頭領は……何考えてるんだっての)
───確かに、アヤカがオダと同盟を結んだことには下っ端のキナコから見ても結果を求めすぎた故の暴走に見えた。
しかしそれに対して粛清を行ってないということはある程度アヤカの行動を許容し権限を与えているということなのだろう。
なればこそ頭領として間違った行動に対するケアを行うべきだ。
だと言うのに、こんなイビリのような形でギャル流全体を巻き込むなど正気の沙汰とは思えない。
「暗雲立ちこめり、って感じ……」
ここ数日、アヤカは学校にすら顔を出していなかった。
おそらく昼夜問わず対応に追われているのだろう。
雛も心配していたし、いよいよ表の生活にまで影響が出てくるとなればキナコを含むギャル流忍者たちも選択を迫られることになるだろう。
「……あーし、けっこう今の環境が気に入ってんだけどなぁ……」
キナコは自分の中のもやもやを吐き出すかの如く深いため息をついた。
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