第7話 ギャルと日常(2)

「ぁっしゃっせー」


ギャル流忍者、アヤカはコンビニのバイトをしながらギャル流の頭領との会話を思い出していた。


『ワタシはさぁ、うん、次の頭領をアヤカにしようと思うんだよね』


『私が?正直荷が重いと思うんすけど』


『まぁ~……うん、ぶっちゃけ消去法?みたいな。ミユは強いけどまだ未熟だし、他のギャルはぱっとしないし』


『アヤカはワタシやミユより弱いけど広い視野で物事が見れるし、対応力も高いしね。サポートはするからとりあえず好きにやってみなよ』


悪い意味で裏表がない人だと思った。

要するにミユが成長するまでのつなぎをやれと言っているのだ。


───なめやがって。


そのミユも今ではいなくなり、正式に襲名はしていないものの頭領の座は確定したようなものだ。


しかし心の底からアヤカのことを次期頭領だと思っているギャルはいない。


功績や実力が今のは頭領とはかけ離れているし、ミユの強さとカリスマには到底及ばないのは自分が一番良く分かっている。


「っしゃっしゃったー」


だからこそ。


こういった手段に出るしかないのだ。


「でゅふ、でゅふ、プリキラカードパック五枚下さい」


「───袋は、要りますか?」


───果たして頭領はこの判断を見てもう一度私が頭領に相応しいなどとのたまうのだろうか。


アヤカは眼前の忍者を睨み付けながらそう、思った。

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