ゲーム配信!2
作者はFPSど素人です
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「もうちょっと歯応えある試合がしたいね」
:うっそだろこいつwww
:人間もghostも狩尽くしてる……
:半分以上1人で倒してら
フィールドが半分以下に縮小するくらいには続けたが、どいつもこいつもghostの性能頼りで話にならん。餓鬼や幽鬼程度が徒党組んだって俺に勝てるわけねぇだろ。
:これだけghost倒してたら相当ポイント貯まってそう
:最上位ghostも夢じゃないな
:はよ死んで無双ゲーやろうぜ!
:いやどうせなら生き残れるだけ生き残った方が強い
:何でこんなにゲーム上手いんだよこいつ
「いや、ghostにはならない」
:は?
:何言ってんの
:ぼくはしにましぇーん!
「人のまま勝つってことさ」
:無理定期
:これは大言壮語
:ビックマウスビックマウスの実を食べた全身ビックマウス人間?
:お薬出しておきますねー
言ってろ馬鹿ども。やるって言ったらやるんだよ俺は。
「1人、いるな。強いやつが」
:キルログ結構流れてるよな
:あの、この垢なんか見覚えあるんすけど……
:もしかしなくても峰姐ですよね?
「峰姐?」
:峰姐をご存じない!?!?!!?!!?!
:お前Vtuber降りろ
:ウィズドリの一期生だよ 桐ヶ崎 峰さん
「あー知ってる知ってる。FPS上手いらしいしそういうことか」
:普段ふわふわしてるのにFPSやるときはキリッとしてるのたまらん
:ここがあの男のハウスね
:もしかして配信してる?
:うん 向こうの配信でも話題に出てるよ
:こん!
:こんなゲーム上手い新人いたんだ
おっこりゃあっちの配信から人が流れてきたな?いいねいいね、人は増えれば増えるほど良い。
「配信いま開いたやつもよろしくな。今はゲームしてるけどゲーム以外にもいろいろやるつもりだ」
:いろいろ(意味深)
:オカルト能力待ちきれないよ!早く出してくれ!
:視聴者のお悩み相談とかやってほしい
:絵も自作らしいしお絵描き配信くだち
:過去を知りたいです
「はいはい今はゲームに集中な。そういうのはそのうちやるから」
もうあんまり人も化物も残ってねぇからな。
移動しながらざっと見ていたが明らかにプレイヤーがいない。俺ともう1人、峰さんとやらがあらかた狩尽くしたからだな。まあ俺ほど無茶はやってないだろうが。
「ラストスパートかけるぜ」
「いやー大鬼は強敵でしたね」
:瞬殺しやがったwww
:うっそだろwww
:あいつ超強いのに……
いや流石に終盤に出てくるghostだけあって強かった。全身硬すぎて頭にしかダメージ通らないくせに高速移動と攻撃範囲の広い棍棒振り回しはズルだろズル。
まあそんな攻撃に俺が当たるわけもなく全部避けて全部当てたら勝つんですけどね。
さて。
「残り3人か」
:全員人間なのすげー
:基本的にこのゲーム早い時間で大体みんなghostになってわちゃわちゃするからな
:FPSの姿か?これが……
流石FPSの皮被っただけのファンタジーアクションと称されるだけはあるな。
「お」
ようやく射線に出たなオメー。
:ファーwwww
:エイムよすぎ
:一瞬で命が消し飛んだな
「本番はここからだけどな」
変質していく死体。大きく歪む空間。高位の化け物が顕現する時の歪みそのまんまだ。
白い体毛、2メートルほどの肉体。ゴリラのような体格。夜叉だな。
「ヴォォォォォォォォン!!!」
咆哮。ありゃ位置を探ってくるやつだ。
場所はすでにバレたな。
鬼のような形相(実際に鬼だが)をした夜叉の顔がこちらをギィっと睨み、そのまま突っ込んでくる。
「こいよ、蜂の巣にしてやらぁ」
:はえぇ
:夜叉は無理だろ
:当たり前のように高速移動してきて掴み(即死)、殴り(即死)、噛みつき(即死)だからな
:咆哮でプレイヤーの位置がわかるのもクッソ強いよな
無理かどうかは俺が決めること。……ん?
俺を狙っていた夜叉の顔に横から弾が飛んでくる。明らかにもう1人のプレイヤーの攻撃……峰さんだな。
:キャー峰姐さーん!!!!!
:ここで援護してくれるの男前すぎる
:まあこいつ2人で倒した後に勝敗決める方が勝率高いから合理的だな
「いいね。気に入った、付き合うぜ」
怪物と戦う人間は好きなんでね。
「グゥッ」
夜叉は一瞬怯むが気にせずに俺を狙い突進を続ける。さあ間合いにくるぜ。
突進の勢いをそのまま活かしたタックルを横に躱わす。そのまま顔に一発銃弾を打ち込む。体勢を急に変えて無理やり殴りかかってきた拳を避ける。そのまま顔面に一発。違う方角からさらにもう一発。距離を取ってきて素早い飛びつきをかましてくる。顔面に一発。腕力に物を言わせた腕ぶん回し。顔面。蹴り。顔。噛みつき。顔。
:すげぇ
:何も当たらないw
:こんな完璧に避けて当てられることある?
:やっぱチート使ってるんじゃ
実はチート使ってるとも言える。俺の反射神経を含めた身体能力は普通の人間と違いすぎるからな。リアルチートみたいなもんだ。
「じゃあな」
全ての攻撃を避けられることに怒りを通り越して怯えさえ出てきた夜叉の顔面を撃ち抜く。
夜叉は断末魔を上げながら消えていった。
:勝ちやがった
:これマジで人間勝利アリエル?
:無理無理
:最後のあいつはどうしようもない
あとは一対一。どちらが本物の人間なのかの勝負だな。
最後のフィールドは密林。ここら辺は木が密集していてお互いを視認しづらい。とはいえさっきの射撃で相手の位置は大体割れてる。俺の位置はあんだけどんぱちしてたので言わずもがな。
お互いに息を潜める。──能力なんて使わなくてもわかる。相手がいるであろう木の裏をじっと見つめる。顔を出した瞬間が最初で最後の邂逅だ。
リロードはしない。弾は一発でいい。絶対に外さない。確信があった。
撃つ。
最後に立っていたのは俺の方だ。
:峰姐にエイム勝負勝ちやがった
:とんでもねぇ新人や
:うおおおおおおおお!!!!!!
:ポイントもこっちの方が上だしghost勝負に持ち込んで勝ちかな?
:いや普通に最後まで人間だから毘沙門天になって勝ちやね
ぐにゃり。空間が歪む。異様に、異質に。世界の法則が乱れていく。やはりこれは。
「似すぎてんだよ」
本物が生まれる時にな。明らかにこれバケモンを知ってるやつが作ってるだろ。
まあ今はどうでもいい。それよりも最終決戦だな。
「とんでもない化け物になっちゃってまあ」
──羅刹。真黒な肌に3メートルほどの巨体、異様なほど隆起した筋肉を持つ人喰いの鬼。
静かに、だが確実に俺をじっと見つめている。真黒な目で俺を見ている。
「やる気満々だな!」
最高だ。
「殺す」
それでこそ俺の敵だ。
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