眠れない夜にふと思ういくつかのこと

みずかきたろー。

第1話 推しとは、つまらない日々に盛るトッピング

アイドルでもYouTuberでもなんでもさ、いわゆる新たな推しを見つけた時ってすごく幸せだと思う。大袈裟かもしれないけれど、毎日が本当にたのしくなるんだよね。真っ白でつまらないティッシュペーパーという日常に、絵の具という推しをこぼしたようなものだと考えてみよう。じんわりと迅速に、真っ白だったティッシュペーパーは明るい色に彩られるわけだ。ワオ、見てて楽しいティッシュペーパーなんて素敵すぎる。鼻をかむなんてしょうもないことには絶対使えないな。ぜひ額縁にでも飾らせてもらいたい。あれ、なんだか話が逸れてしまった。とりあえず、カラフルなティッシュペーパーを人々が欲しいと思うかは置いておくとして、私が先程のように意味のわからない例えを出してまで言いたかったこととは、推しがいるだけで毎日が楽しくなるということ。少なくとも、なんのために生きているのだろうという難問に悩まされることはなくなった。推しを眺めるために生きるって、それはどうなの?この文章を書いている私の脳内で誰かが呟いた気がする。せっかくだからアンサーを。


A.生きる目的なんてなんでもいい!


これでいいじゃないの、生きる目的なんて。パッと見が、どんなにしょうもない目的だったとしても、それを糧に辛い日々に耐えながら生きてるなんてスーパークール。かっこよすぎる。人間って思っているよりもずっと複雑なくせに、さらに思っているよりもずっと脆い。そんなへんてこりんな人間の心なんて、ちょっと風が吹くだけで飛んでゆく、たこ焼きの上の鰹節みたいなもんだ。あの瞬間って結構ショックうけるんだよね。あの悲劇を防ぐために私はよく息を止めているけれど、それと同じように、私は楽しく生きるために推しを眺めてるよ。いつもマイナスなことばっかり考えてたタイミングを使って、あぁ、推しが今日も頑張ってるな、私も頑張ろう。だとか、あの時の推し、面白かったな。みたいなことを考えることだってできる。一時的な心の延命みたいなものだけど、クロールの途中で呼吸を挟むのと同じように、繰り返しやってみよう。延命に延命を重ねて、なんだかんだ毎日それなりに楽しい時間を過ごせている気がする。別に、絶対に生きろ!死ぬな!って言いたい訳じゃないよ。ただ、推しがいるだけで少しでも現状が変わる可能性があるよと誰かに伝えたい。事実、私はこうやって日々をやり過ごしている。こういう誰に需要があるかも分からない変な文章を夜な夜な書いているような私でも、推しから力を貰って生きているよ。試しに、誰でもいいから推しにしてみよう。結構楽しい気がするよ。それではおやすみ。

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眠れない夜にふと思ういくつかのこと みずかきたろー。 @mizukakitaro

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