第2話 ひかり





そんなに近づいたら駄目だよ


あなたの手が私の背中にまわる


かすかに青い甘い香水


柔らかな唇が私に届く



なだらかな肌には

ネックレスが無造作に揺れる



溶け合う瞬間より先に

あなたの手が私をおじけさせる


必死になって息継ぎを急ぐ


あなたの美しい声

何度も私を困らせる




しばらくして私は、やっと

身体を離す


そして今度は

あなたが私に身を委ねる




始まりも、終わりもない

時間も、言葉さえ超えてゆく



ランプの灯りだけが

今夜の私たちを知っている











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