詩集の窓辺

ありもと優

第1話 刹那





たわいもない日常に

あなたの線が混じった


非日常

遠くのあの場所が恋しい



近づくたびに離れる

触れるたびに息を潜める

何度も繰り返す



ふたりの止まない呼吸は

お互いの皮膚を震わせる



窓ガラスは曇っている


淹れたての珈琲


言葉が優しく失われてゆく


たった一つだけ

此処に残る



あなたは言う


ねぇ、

明日晴れたら海に行こうよ







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