第9話  謎の男

「はい勿論日本人ですが主に外国に活動しており、なんていうか戦争屋と言うのですが。傭兵ってご存じですか」

「ああ、確かフランスが一番多く雇っていると聞くが。まさかフランスの外国人部隊なのか」

「外人部隊を率いるリーダーだと思われます。これはあくまでも噂ですが一年ほど前にヤクザの抗争がありましたよね。あれはヤクザ同士の抗争ではなく一人の男の仕業ではないかと、あくまでも噂で未確認情報ですが」

「なに? 一人の仕業だと。馬鹿な日本でも一番大きな暴力団組織だぞ。それを一人で挑んだというのか。なんの為に」


「その暴力団に若い女性のフリーカメラマンが殺されたそうです。その仇討ちとか。何度もいうようですが、あくまでも噂です」

「どうも君の言い方は噂と言って置きながら本当に聞こえて来るが」

「いいえあくまでも噂です。確証がないのですから。その恋人は私の友人の妹さんでした。一度妹さんの墓前で会った事があるそうです」

「君の言おうとしている事は分かる。犯罪者は困るが確証がないならシロなのだろう。例え犯罪に絡んでいようが何もその男をどうこうしようとは思っていない。今はそんな事を言っていられない。役立ちのなら超法規的処置で対処すればいい。但し失敗したら我々は関与しない全て君の責任の下で進めてくれ」 

「有難う御座います。許可を戴けるなら極秘に動いて見ます」


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