第8話 謎の人物への依頼案
首相はじめ閣僚達は結論が出せず困り果てていた。
テレビ新聞はクーデター発生と騒ぎたて政府の対応を非難している。
今のところ北海道は幸い混乱もなく死傷者も出ていないが、空港や各施設には国民を守るべき自衛隊、警察が逆に国民を監視しているのが不気味で、三日経った今でも政府への要求もなく、ただ北海道への出入りは完全に封鎖されていた。四日目のことだった。麻由美が村松陸将補に提案を出した。
「失礼ながら相手は何をしようとしているのか。この首謀者が狂っている可能性があります。まずこの首謀者を排除する必要が重要であります。」
「言うことは分るが、それで何かいい案でもあるのか」
「ハイ、非合法的に首謀者と幹部を暗殺するしかありません。まともに交戦すれば道民を巻き込んだ大勢の死傷者が出ます。少人数で忍び込み首謀者及び幹部を制圧するのが一番良い方法かと思われます」
「それでは特殊部隊を使うと言うのか、相手は自衛隊だぞ、武器だって強力だ。それに特殊部隊が五十人また百人では目立ち過ぎるだろう」
「いいえ私が調べた情報では一人居ます。ただ並の人間ではなく戦場を駆け巡るプロです。そこに何人かの選りすぐりの隊員を付けて貰えれば」
「なに!? 戦争のプロだと言うのか、だが一人を加えたとしても何が出来ると言うのだ」
「それが可能な人物だと思います。今は多分フランスに居ると思われますが」
「何者かね。勿論日本人だろうね。外国人の手を借りる訳には行かんぞ。得体の知れない者を政府が雇う訳にはいかんだろう」
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