第6話  真那井国王

更に北海道警察本 真那井国王部長までもが絡んでいる。警察と自衛隊が手を組めば怖いものはない。

 一方、千歳駐屯地の本部では、各道内に配備した自衛隊員からの情報を取り寄せていた。次々と成功、制圧の情報が入ってくる。

その頃、北海道のある場所ではクーデターの成功を祝って集会が開かれていた。

「諸君! 我々は完全に北海道の四師団と三十二の駐屯地を制圧した。八十五年の時を経て我々はここに北海道王国をまもなく設立する」

 ワア~~と一斉に完成が上がった。

 真那井国王バンザイ!!バンザイ!!

 嬉しそうに真那井はひとつ高い壇上に立って手を振った。


 首相官邸では防衛庁長官を始め、閣僚が集まり対策を練っていた。

「総理、北海道海域にイージス艦を配備完了しましたが、あまり刺激すると内戦になりかねません」

 「それは分かっている。それじゃなくとも隣国とは冷戦状態で内紛でも起きれば、ここぞと仕掛けられるかも知れん。それで首謀者と要求は分かったのか?  どうなのだ村松陸将補」

 村松陸将補は隣に座っている。真田麻由美二等陸尉を見て発言した。

「総理、ここにいる真田二等陸尉は情報収集の専門家として連れて参りました。真田、皆さんに情報と状況を説明したまえ」

 総勢二十数人の中で、ただ一人の女性、麻由美が総理官邸の会議に出席していた。

「はい、それでは説明させて頂きます。まず首謀者と思われる人物は真那井一等陸佐の線が高いと思われます。これは今から遡ること八十前の今日二・二六事件と奇しくも同じ日にクーデターと思われる事件が発生しました。その主謀者の中には六人が二・二六事件の子孫が含まれております。更にその中に北道警察本部長梅木幸次郎警視監も含まれております」

「なに! では警察と自衛隊が手を組んだと言うのか」

「それで要求内容は分からないのか」

 次々と質問が麻由美に飛んだ。


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