第27話 いろいろな話

使い魔テルとあの日の召喚や


どうしてこの世界に僕が来たのかなどの話を聞きながら


パパ、ジェフさん、エラさんを探している。


話を聞いていていろいろ言いたいことはあるけれど、


とりあえず話の腰を折ってもと思い話を聞いている。


〈マーティーはあの日途中で一度召喚が止まったのは覚えているかにゃ?〉


〈あの光に包まれて途中で止まって地面に沈んでいったやつ?〉


〈そうにゃあれにゃ、最初のはこの世界の魔法使いが


召喚魔法を使ってマーティーの世界の人間を何人か召喚しようとしたにゃ。


その時その召喚魔法に干渉して別の召喚魔法を組み込んで


マーティーをこちらの世界に召喚したにゃ。


魔法に関してだけは天使様の中でもかなり優秀にゃ〉


優秀ね・・・天使の中でもいろいろな得意なものが違うってことか、


駄天使は魔法タイプなんだろうな。


〈最初の召喚魔法はこの世界の人族は勇者召喚って言っているにゃ、


それはこの世界にある魔力の濃いエリアを失くすために呼ばれてる存在にゃ


あの日マーティー以外にも何人も召喚されたにゃ〉



なるほど?一見すると人族の【ため】


魔力の濃いエリアを失くす【ため】


にやってますって【正義】の味方のように聞こえるけど、


実は世界にとってはいいことではありませんってことか。




〈じゃぁあの日学校の生徒の何人かは召喚されていて、


今もその魔力の濃い場所をなくすために行動しているってこと?〉


〈それはまだ先のはなしにゃ、


なんと言っていいのか時間は直線的ではないからまだ召喚されてないにゃ、


それにマーティーは転生してるにゃ


何とか勇者たちがこの世界に転移してくる前に


力をつけて勇者たちの邪魔をしてほしいと思って


マーティーを召喚したみたいにゃ〉



なるほど?時間は直線的ではない???


ん・・・この世界の未来のいつかに召喚されるって


ことだと思っていればいいのかな?


〈でも時間に干渉するのはかなり緊急の処置で、


ものすごいエネルギーもいるから、


本来やったら駄目なやつって感じにゃ・・・


天使様今は身を隠してるにゃ・・・〉


え・・・身を隠すってそんなことできるのか?


そもそも隠れたぐらいでバレないのか?



〈それで邪魔をするって具体的には何をすればいいんだ?〉


〈正確には勇者か聖女がどちらかがいなくなればいいにゃ。


もしくは勇者と聖女がお互い協力しないようにすればいいにゃ。


人族がやろうとしている魔力の濃いエリアの魔力をなくして


魔物を発生しないようにするってことは勇者と聖女が


お互い協力してやらないと難しいにゃ。〉


〈邪魔をするっていうか、勇者か聖女を殺すってことだよね・・・〉


〈ま~それも1つの方法ではあるにゃね、


どちらか一人をこちらの味方になるようするって方法もなくはないけどにゃ~〉


それは説得するってこと?


どうやって?


いきなりぼくはあなたと同じ世界から来たも者です。


実は天使から話は聞きましたが、


あなたがやろうとしていることは


実は世界にとっていいことではありませんって言うのか?


そんなこと言って信じてもらえるか?


都合よく味方になるとは思わないし


そんなこと言ったら危ないやつだって思われるだけだよな?


そもそもどうやって探せばいいんだよ・・・


勇者や聖女が召喚されたって世間で噂になるか?


すみません勇者に会いたいんだけどって言って会えるのか?



〈ちなみに聖女は召喚じゃなくて


勇者が召喚されると突然その力に目覚めるらしいにゃから、


事前にちょっかいかけるのも難しいにゃ


それに遺伝でもないから聖女の子孫から聖女が生まれるってこともないにゃ〉


ちょっかいって・・・もう少し言い方考えようね~


聖女は勇者が召喚されると本人にだけわかるような


何かに目覚めて力が~~みたいな感じなのかな?



〈元々同じ世界に居た人族で学校で


一緒だった人たちだろうからやりにくいだろうけどにゃ、


できるだけがんばってほしいみたいにゃ〉


学校の同級生でも友達や知り合いではないからな・・・


向こうは僕の事知らないだろうし。。。


〈できるだけって言うけど、もしそれができなかったらどうなる?〉


〈たぶんだけど別の天使様が何かしら力を行使すると思うにゃ・・・


でもあまり天使様が力を行使しつづけると


やっぱり歪みがでるみたいでバランスがどんどん崩れるみたいにゃ〉



〈それで僕だけ時間に干渉して今ここにいるわけか・・・


でも駄天使が召喚ってそれは悪魔召喚とかじゃないんだよね?〉


〈呼び方はいろいろにゃ、勇者みたいな力じゃないけど、


力を得るために代償になるものはもらったって言ってたにゃ~〉


〈え?力?そんなものもらってないんですけど・・・〉



そんな力があれば村は・・・父や母は・・・


〈あ~ごめんにゃ、


テルと正式契約すると徐々に力が得られるようになってるにゃ、


だから遅くなってごめんって言ったにゃ


一度でも会っていてマーティーの魔力を感じていれば


もっと探しやすかったにゃ。


どんな人族が知らない状態だったから


しっかり観察して確認しないとまったく知らない人族に


力を与えてしまうことになっちゃうにゃ〉


〈逆にそれで10年ぐらいで探せたね・・・〉


〈だいたいこの辺りに転生させたってのは聞いてたから


この国の子供を見つけてはじっくり観察していたにゃ~〉


最後の言葉だけ聞くと通報案件だけどな!



〈それで少し前にこの辺りで変な魔力の流れみたいなのを感じて、


別件で観察してたにゃ~〉


〈変な魔力の流れ?〉


〈村を襲った魔物たちはたぶん普通に生まれた魔物じゃないにゃ。


人族が作った魔物で魔法でテイムのような感じで使役してたと思うにゃ。


その魔物を観察すると気持ち悪い魔力をまとっていたにゃ〉


〈え!じゃぁ村を襲った魔物は誰かが指示してやったってこと?〉


〈ん~誰かが意図してやったことだとは思うにゃ、


だけど村自体を狙うためだけに魔物を作ったのかと言われるわからないにゃ。


少し前から変な魔力の流れを感じて見ていたんだけど、


最初に作られた魔物より村を襲った魔物の方が強くなってたにゃ。


ただ普通の魔物との違いはよ~く観察しないとわからない感じにゃ〉


〈徐々に強くなってるんだ・・・〉


〈ん~なんて言っていいのか、最初の頃の人工魔物は比較的弱い魔物だったにゃ。


でもマーティーの村を襲った魔物はそこそこ強い感じだったにゃ


いろいろと実験していたんじゃないかと思うにゃ〉



(そんな・・・人工的に魔物を作る実験のために村が・・・許せない・・・) 


怒りで体が震える・・・。


〈テル、それを作った連中の居場所はわかる?〉


〈今は近くにいないのはわかるにゃ、


人口魔物を作っていた場所だけは覚えてるからいつでもいけるにゃよ、


でもそこに居た人族が場所を移動したらさすがに探すのは大変にゃ〉


〈そっか、わかったよ。また後でそのことは聞くと思う・・・〉


何とか怒りを抑えて今は情報取集だ・・・今は・・・



〈それでその正式契約?と力ってなに?〉


〈マーティーがテルをテルがマーティーを


それぞれ認めれば魔法によって契約できるにゃ、


テルは使い魔だから何かしら供物というか代償みたいなのが必要にゃけど


それは天使様に先にもらってるから大丈夫にゃ〉



え???先にもらってる?何を?




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る