第14話 魔法の常識って難しい

この世界に来てはや7年・・・


いまだに黒い猫さんを見つけられない日々を送っているマーティーです。


最近は攻撃魔法の練習もさせてもらえるようになり結構日々楽しんでいたりします。


攻撃魔法を教えてもらう時に聞いたのですが母は火属性と風属性を使えるそうで、


かなりすごい魔法使いということが判明したのでした。


曰くいわ最初は1つの属性しか使えないかもしれないけど、


その他の属性も使えるようになるかもしれないとのことでした。


実際母も最初は火魔法しか使えなかった。


だが火魔法は攻撃力はあるが使いどころが難しくフレンドリーファイアも


起こりやすかったので、


魔力操作などを地味にがんばって風魔法を使えるようにしたそうです。


大雑把な性格というかおおらかというかそういう人だと思っていたが、


魔法に関しては真面目なようだ。



属性魔法は本人が持っている魔力の性質によって発現しやすいものがあり


魔法名を唱えることによって発現すると教えられるそうだ。


そしてこの世界の魔法は


【魔力操作】と【イメージ】だと教わる。


例えば、ファイアボールと詠唱して仮に火の玉が出ても


イメージがうまくできないと、ものすごく魔力を込めても


子供の拳ほどのファイアボールしか作れない。


魔力操作がうまくできない人は魔力をたくさん込めることができないので


本来魔法に注ぐ魔力をどこか関係ない所へやってしまい


こちらも小さなファイアボールしかできない。


逆に魔力操作やイメージがうまい人は少ない魔力でも


大きな火の玉が作ることができる。



魔力操作やイメージが両方うまく出来ない人が


風魔法が使える適性があるのに


「エアーカッター」


と詠唱しても、風の刃が飛んでいくイメージを


ちゃんと作れないと世の中的には


何も起こっていないことになってしまう。



実は属性魔法が使えるのに使えないと思って身体強化を使って


戦闘している人が結構いるという話だ。


そして身体強化しか使えない人がなぜ魔法を詠唱しても


魔法が発現しないのかは実際にはよくわかっていないらしい。


小さい頃に仮封印をしたせいで体がそれに慣れてしまって


封印を解いても使えなくなってしまったとか


元々体の体質だ、遺伝だ、努力不足だと


いろいろな説があるようだ。


それにできる人も何でできるの?聞かれたら


詠唱したらできちゃったとしかうまく説明できないので


使えない人に対して指導するってことも難しいようだ。


僕の場合は母が結構すごい魔法使いでリズちゃんのママも魔法使い


というかなり恵まれた環境にいるのだが、大きな街でもないかぎり


魔法使いが自分の近くにいるってことはそうそうないし


いたとしても指導してもらえることは少ない。


ましてや小さい頃から地味な魔力操作をずっとやっている


子供も珍しいらしい・・・


だって使いたいもんね?魔法w



小さい頃から地味にやっていた魔力操作も魔法を発現させるには


重要な要素らしい。


実は魔法がちゃんと使えるような魔法使いの人に小さい頃から


指導してもらえれば使えたかもしれない魔法を


ずっと自分は使えないと思いこんでしまって


そのままの身体強化のみで生活している人も


多いのかもしれないと言われている。



身体強化も何もしなくても使えるようになるのかといえばそうではない。


父やリズちゃんのパパも冒険者になるためにいろいろと


自分で試して訓練したそうだ。



適性もイメージもしっかり出来ていて熟練度もある


母のファイアボールを初めて見たときはまじでびっくりした。


それはファイアボールってレベルではないですよね?ってぐらいの大きさだった。


しかも普段日常生活で見ている火よりも触ったらやばい感じがするのが


すごいところだ。


火魔法初級ファイアボールだけで一瞬で消し炭にされるだろう。


しかし火魔法は火力はすごいが魔物が生息している森や林のような


場所によっては使い勝手が非常に悪い。


小さな火球でも森や林で使ったらあっという間に大火事だし


洞窟なんかで使ったらすぐに酸欠になるだろう。



母のウィンドカッターも見せてもらった。


火魔法ほどの威力はない感じではあったがそれでもすごかった。


最初はそよ風程度のウィンドカッターしかできなかったが、


魔力操作や毎日暇があればウィンドカッターを練習することによって


魔物討伐でも使えるレベルになったそうだ。


最初の内、火魔法は魔力を抑えて周りに被害がでないように練習して、


風魔法はうまくイメージできなく魔力を多くこめたりして


真逆な魔力操作をしたりしていたのでかなり大変だったそうだ。


その試行錯誤な魔力操作のおかげで今となっては


風魔法も威力が増したそうだ。



「じゃぁマーティー、教えた魔法をちゃんとイメージしながら


詠唱してみて、まずは周りに影響が少ない


土魔法からいってみましょうか」


そう言われて事前に教えてもらっていた呪文を詠唱してみた。


「ソイルバレット!」


と初級土魔法を詠唱したら体の中で何かか起こったのがわかった。


なんとも説明しずらいが今まで経験したことがない感覚だった。


そして大人の手の拳ぐらいの土の塊が目の前に発現した!


思わず・・・


「お~~~~~」


って声を出してしまったw 母はそれを見て微笑んでいる。


まじか~まさにファンタジー世界だ、


まさか自分が魔法を使える日がくるとは・・・


「それじゃぁその土の塊を動かしてみて」


と母が言った。


動かす?そっか土の塊ができただけじゃダメだよね?


水魔法とかで水球作ったのならまだ使い道あるかもしれないけど。


その土の塊を動かそうと前の世界で見たアニメのように


動くイメージをしたら不思議なことに移動した、


何ともファンタジーな世界だ。



「マーティー、最初の内は指を使って動かして、


イメージを補助すると正確に目的の場所まで移動させられるわよ」


と教えてもらった。


動かせるけど的にちゃんと当たらなかったら意味ないもんね。


「やっぱり小さい頃から魔力操作すると違うわね~」


と言われて母から修行僧のような魔力操作の


英才教育を受けていたようだ・・・


でもこれは感謝する所かな?w


さすがに滝に打たれるような修行はなかったしねw



土魔法は火や風、水と違って練習しやすいそうだ。


たしかに火魔法は子供一人で使わせたら不安だろうし


風は見えないものを操作するの大変そうだし、


水はね・・・悪くはないが失敗すると水浸しになるよね・・・


土魔法はその点操作訓練しやすく魔力操作もうまくなりやすいそうだ。


しかし土魔法は中級、上級となると少し大変になるそうだ。


初級土魔法にソイルバレット、中級土魔法にストーンバレットというのがある。


これは初級土魔法では土を形成していたが、


中級では土を石に変える性質変化が必要なのだ。


より多くの魔力を込めるのは当然としてイメージが大変らしい。


土で作った団子状のものをより強く硬くするイメージで最終的に石にする


練習をすると言われてもなかなか難しそうだ。


もちろん慣れてばいきなり石を作ることができるようになるが、


うまくイメージできないと土→石って順序を取らないといけないので


発動が遅くなるということらしい。


「じゃぁ次は水魔法を使ってみましょうか」


もう一つぐらい使えるといいんだけどな~


「ウォーターボール!」


なるほど・・・びっくりするぐらい何も起こらないな・・・


これが魔法適性なのかな?


見た目5歳児だから詠唱して何も起こらなくてもOKかもしれないけど、


大人がやったら恥ずかしい奴だよねw


「水魔法は適正ないかな?じゃぁ風魔法いってみましょうか」


次こそは何か反応してくれるとうれしいんだけど


「エアーカッター!」


なるほど土魔法を詠唱した時感じた何かは起こらない。


次いってみよう、次って感じで何もなかったことにしたい気持ちを抑えつつ。


「適性がないとほんとに何も起こらないんだね」


「そうね~もしかしたらもう少し大人になったりしたら


発現するかもしれないから、たまに詠唱するのもいいわよ」


って母に言われたけど大人になって


「エアーカッター!」


って言って何も起こらないのは地味に恥ずかしい、


この世界の人はそうでもないのかな?


「じゃぁ火魔法やろうか、できたらママといっしょね」


何かかなり期待されてる感じがする・・・発現してくれよ~~


「ファイアボール!」


体の中にわずかに何か起こったのはわかった。


水魔法や風魔法の時のように何も起こらない感じではなかった。


これはいけるかな?って思ったけど、火が起こることはなく


体の中で起こった何かもすぐに消えてしまったw


そのことを母に話したら、たぶん母の風魔法のような感じで


練習すれば使えるようになるかもしれないそうだ。


この何か起こったことに気づいて自分は魔法がつけると思って


何度も何度も魔法を詠唱するけど結局魔法が発現しないってことも


よくあることらしい、それで諦めてしまう人が凄く多いそうだ。



いわく火魔法は中級、上級魔法は温度を


上げていくイメージに近いので比較的イメージしやすいと言われた。


たぶん自分といっしょの属性が使える可能性があるのがうれしいんだろうが、


まだ初級のファイアボールができていないというねw


魔力操作の練習しだいでそれなりに使えるようになるそうだが、


まずは土魔法だよなと思っていたら。


火魔法ならいつでも聞きなさいと自慢げに言っていたw


土魔法教えてほしんですけど?


火魔法は使用するときは大人同伴だから練習しづらいんだよね。


光魔法と闇魔法も詠唱したが何も起こらなかったことも


一応報告しておこうと思う・・・残念。。。



その日の夜に父に土の塊を作って見せてあげたら喜んでくれた反面


うらやましそうだったw


自分が攻撃魔法は使えなかったからかもしれない。


やはりどうせ魔力があるなら使ってみたと思うよね攻撃魔法。


ある意味ロマンといいましょうか、魔法=攻撃魔法みたいなのは


どの世界でも共通なんだろうな。


そして母が言わなくてもいいのに火魔法も使えるようになるかもしれないと


父にうれしそうに話したら、


身体強化なら教えてやれるぞと謎の対抗心を出していた。



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