第6話

家の鍵を開ける姿を斜め後ろから見ながら、鍵が開くのを待つ

ピピッという音と共にドアが開いて、鳴海の後ろに続いて家に入る


靴を脱いでまっすぐ伸びた廊下をあるいて

リビングに繋がるドアを開ければ、少し涼しい風が入って来る

クーラーが付いてる


「ゴメン、洗濯物そのままになってる」


寝室のドアの向こうから声がして

よく見ればソファーの背もたれにかけられた、黒のワイシャツと白のワイシャツ

脱いでおいてそのままにしたんだろうけど

3日前に洗濯して片づけたはずの部屋は、所どころ服や靴下が落ちていた


リビングのローテーブルの上にカレーの容器入った袋を置いて

脱ぎっぱなしになっているワイシャツや靴下を拾う


生活感があまりない鳴海は、この間私に諭されて初めて洗濯機を買った

それまではずっとクリーニング屋さんに持って行っていたらしい

掃除機もなくて、掃除をしようと思ったらモップタイプの床掃除のシートを渡された


ご飯も今まで外食で、元々この家にフライパンすらなかった


あったのは電気ケトルだけ


毎日家に帰って来るわけでもないから

寝る場所と椅子と机があれば大丈夫


の考えでいままで暮らしてきたらしい

むしろ尊敬する

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る