第7話

「 …私、帰る。着替えるから、別部屋行って欲しい。」


持ち帰った泥酔女とセックスするためにとった部屋にしてはかなり勿体無いくらいいい部屋だ。高層階だし、部屋も寝室以外にいくつかある。


こんな事じゃなかったらルームツアーしたいくらいには滅多に泊まれるホテルじゃない。



「 昨日散々見たのに?」


なんて私をみるこの男、完全に私をおちょくっている。


失恋してやけ酒して泥酔した挙句見ず知らずの男とやっちゃうような女。笑われて当然だけどさ。

27歳にもなって、自分でも笑っちゃうよ。


それでも悔しくて、キッと睨むとまたふわふわと笑ってベッドを出た。


「 俺、シャワー浴びてくるから。気をつけて帰ってね、伊織ちゃん。またね。」



ひらひらと手を振って寝室から彼が出て行った事を見届けると、ふっと体の力が抜けた。

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