未来
第14話
1年後
今年もここでコーヒーとパンケーキを頼んだ。
コーヒーがテーブルに置かれ
彼が見つけてくれた本を取り出した時だった。
カウンターから"ちょっと出てきます。"と
白いユリとトルコキキョウ、ピンクのカーネーションの献花を持った年配の店員が店を出て行った。
店に残っていた店員は
「あれから1年経つのね...。
優しいだけじゃなくて勇気のある人だったわ。
ここのコーヒーが好きで、毎週なにか書きながら過ごしてたわね。」
その会話を聞いたあと、窓の外を見ると
さっきの献花を持った店員が
交差点の横断歩道で止まっていた。
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