第13話

直接お礼がしたいと伝えると

彼は歴史あるレストランに

1年後の2007年11月12日。

わたしにとっては明日。

18時に自分の名前で予約を入れてくれた。


レストランで彼の名前で予約をしていることを告げると"やっと来てくれましたか"と店員の顔に書いてあり、笑ってしまいそうになった。


テーブルに座ってから1時間。

さっきまで居たお客は帰っていき

新たな客がお客が来店してくる。

少しずつ飲んでいたコーヒーが空になった頃

店員が閉店になることを告げにきてしまった。


絶望し家に帰ったわたしはペンを握った。


「わたし達は決して逢えない運命だと思う。

 もう手紙は要らないわ。」


その内容に関しての返事はもちろん。

それ以降、手紙を送ることも届くこともなかった。

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