第4話

ここの病棟クラークは

Dr.が依頼した検査の順番•入室•退室時の

電話を受け、それを看護助手に伝える。

食事変更、病歴整理、入退院•死亡時の手続き等...入院患者の医療に携わらないこと全般だ。

おまけに、Dr.やNs.が気持ちよく仕事ができるようご機嫌をとる...。


配属されたのは整形外科だったが

この病棟にある(内•外•脳外)科は

なぜだか*転棟てんとうしてきてしまう。


指導を受ける日は、なぜかバタバタしていて

きちんと教えてもらう余裕もなく

1週間もしないうちに1人にされてしまった。


言い方は悪いが、

その日の患者の体調によって、

わたしの仕事は、忙しくなるか落ち着くか

大きく変わる。


ひとりデビューは

とてつもなく*転科転棟てんかてんとうが多く、頭がいっぱいいっぱいで自分の手だけでは足りなかった。


余裕がなく、進まない仕事にイライラし

20時過ぎても終わらなくて泣きそうにもなった。


"ふたちゃん大丈夫?スマイル~スマイル~"

忙しいわたしに看護師は少しバカにした感じで言ってきた。


看護師にこの仕事はわからない。

絶対手をだしてもらいたくない。


そう言い聞かせ、

ニーッと口角を上げ『はいっ!』と伝えた。


目は口ほどに物を言う

とはこういうことなのだと改めて知った。


その日からわたしは

どんなに仕事が忙しくても悲しくても

他のスタッフに心配をかけまいと

感情を出さないと決めた。


*転科... 例:内科から外科に変えること。

*転科転棟...転科した後に別の病棟に移ること

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る