第14話

先生と看護師は、彼を囲み酸素マスクを装着し

処置を施していた。


何をしているかわからないわたしは

余計にパニックになって

『お願い!!痛くしないで、お願い...』

泣きながら訴えてた。


彼の血圧や心拍は数字でわかる心モニターが着いている。

血圧が少しずつ下がってきて

心拍もレベルが低くなっている。


それは医療の知識がないわたしでも

何を表しているのかわかった。


9時27分。


先生は腕時計を見て正確な時間を事務的に伝えた。

医療スタッフが病室からいなくなっても

わたしは彼を見ることができなかった。


信じられなかった。さっきまで普通に食事してたから。


そして怖かった。死と向き合うことが。


葵...。21年間よくがんばったね。

あっちではゆっくり過ごしてね。

葵と過ごせた1年半

本当に毎日がたのしくて幸せだった。

わたしと出会ってくれて、、付き合ってくれて、、

ありがとう。

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