第17話

「高校でさ。

弁当こぼされたり、教科書隠されたり、犯人にされたり…

クラスのやつに心ないことを言われても

芹澤は自分もっててカッコいいって思った。」


『なつかいしね‼︎

政経の教科書、やっぱり隠されてたんだ。

……あれっ?知ってたの‼︎?』


「ごめん。

芹澤のことに首突っ込んだら面倒なことに巻き込まれると思って黙ってたんだ。オレ、あの頃自分が大事だったんだ。」


『いんだって‼︎そう思ってたのは近藤くんだけじゃない。

きっと他のみんなも同じ気持ちだったと思う。

私の肩を持てば、次のターゲットにされてしまうって。

だからみんな、咲崎さんに逆らえなかったんだよ。

それなのに3年生の時、近藤くん咲崎さんに立ち向かってたょね。すごい心強かった。』


「3年になるまで

オレも周りに何言われてるのか不安で

いろんなやつにいい顔してた。だから自分でも素の自分がどれなのか分からなくなったこともあった。

そんな時、芹澤のことを思い出した。

何を言われようと思われようと自分は自分だって。

周りに無理して合わせなくてもいいんだって。

それで嫌われたらその人とはそこまでの仲なんだって。」


『10人いれば10通りの考えがある。

正解なんてひとつじゃないんだよ。

いい顔ばかりしてたら疲れちゃうょ?

誰かにわかってもらわなくてもいいじゃん!

自分のことは自分が信じてあげれば、、

少なくともわたしは近藤くんのこと信じる。』

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