第3話

ムリして友達を作ろうとは思わなかった。


中学で勉強一筋だったわたしは、

高校生になったらやってみたい事があった。


それは密かな憧れで、

学校が終わって友達とカラオケやショッピング

ご飯に行くこと。

しかし現実は違う。移動教室、トイレ、通学も独り。


入学して1ヶ月が過ぎようとしていたお昼休み。

普段と変わらず、お弁当を開いた。


「アンタまた独りでってんの?

ひとり寂しくねぇ?こっちこいよ。」


使ったことのない言葉遣いで話されて驚いた。


咲崎叶さきざきかなえ

おしゃれに時間をかけているのだろう。

カールされたまつ毛にアイプチされた二重。

髪はコテで巻いたのだろう、、クルンクルンしている。


声をかけてもらったのは嬉しかった。

だけど、地べたに座ってご飯を食べる行為は動物以下だ。


『ありがとう。でも床に座るのはちょっと...』


きっとこの発言が悪かったのだろう。

彼女は笑って"そっか"とだけ言って

地べたに座り友達と食事を始めていた。


その時わたしは見てしまった。


彼女の不吉な笑みを。

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