第3話 グリダニア暴走連合誕生!
もう少しフェンリルの話を続けようと思う。
この物語の作者の俺も、シドも思った事が、「これはどうやったら、曲がれるんだ?」という事である。
シドがそんな事を考えていたら、ガーロンド社のテストコースに、ミコゼーがフェンリルに乗って現れた。
ミコゼーはリアタイヤを空転させると、器用にフェンリルの向きを変え、コースインした。
シドはそれを見て仰天して、口をアングリと開けたまま、ミコゼーが高速で車体を傾けたままコーナーに進入し、リアタイヤを急激に滑らせ、横に吹っ飛ぶような感じで、コーナーを抜け出すのを見ていた。
「はぁ??なんでそれで、曲がれるんだ??どんな設計すると、あれで曲がれるんだ??」
シドが思うのは、至極真っ当な事である。
通常傾けた時に方向舵を与えて曲がるのが、自転車でもバイクでも同様な理屈である。
しかしフェンリルを操るミコゼーは、涼しげな顔をしながら、リアタイヤを器用に滑らせ、吹っ飛ぶ車体を、難なく制御していく。
「これを市販車両にするには、どうすればいいんだ?普通の人間に、こんな芸当させろってか?」
シドが日頃見せた事は無いであろう、泣きそうな顔をして、頭を抱えた。
フェンリルはクラウド達、ソルジャーという存在の為に生み出されたので、普通の人間が操作するという事は、考えていない。
その後シドは、考え抜いた挙句、あまりにも幼い、ご都合主義な結論に辿り着く。
「そうだ… 魔法で制御すればいいんだ。この世界のマウントは、魔法で空を飛んでいるんだからな」
シドは自分にそう言い聞かせると、フェンリルのステアリングが、方向舵が切れないのを確認して、軽い笑い声を上げた。
さて話を元に戻そう。ミコゼー達エオルゼア卍會(グリダニア暴走連合前の組織名)の面々が、リムサとウルダハの連合とにらみ合いを10分程続けた後、オスッテが口火を切った。
フェンリルを滑らせるように進め、進撃していく。それに追従するメンバー達。
怒号と罵声が、フェンリルの爆音に消されていき、敵のバイクマウントが、砂煙に消えていくかの如く、地面に叩きつけられていく。
しばらく後方からそれを見ていたミコゼーが、怒鳴り声を上げた!
「全員、止め!!止めないなら、叩き潰す!もう二度と、起きるのが嫌に思う位に叩き潰すが、どうする!?」
敵も味方も、あんなに可愛らしい総長のミコゼーからは想像出来ないような怒鳴り声を聞き、その場にスゴい勢いで正座した。敵もまた、同様にである。
「さ、もう帰るよ。十分遊んで疲れたよね。全員ラーメン屋に集合ね!!」
二千人が入れるラーメン屋があるのかは謎だが、全員がミコゼーに応えた。
「うす、総長!!」
グリダニア暴走連合の誕生である。グリダニア、リムサ・ロミンサ、ウルダハの名のある組織が集結して組織され、いずれ起きる戦乱に、巻き込まれていく。
続く
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