第16話

…ん?チカの隣の席の子?


そういえばチカって自分のクラスの話ほとんどしないから、ちょっと気になるかも。




夏穂「隣の席って男子?」

奈近『そう、一応クラスの盛り上げ役っていうかムードメーカー的な立ち位置。』

夏穂「ムードメーカーって…小広君みたいな?」

奈近『ううん、全然…。ヒロとは正反対のタイプですごく手がかかるから、私がそいつのお守りしなくちゃいけなくて大変なのよ。』

夏穂「へぇ…」

奈近『そんでもって頭も良いから、若干イラっとくるのよね…。』




チカはさも嫌そうに眉をしかめて理系科目をまとめたノートの山を見た。




奈近『私は理系科目苦手みたいだから、早めにまとめてたんだけど…そいつが「ここ、間違ってるぞ。」とか、「これ順番が違ってる」とか茶々を入れるから進まなくて…』

夏穂「でも、間違ってるところ教えてくれたなら…その人いい人なんじゃないの?」




私がそう聞くとチカはため息をついた。




奈近『今の言い方ならね。実際はも~っと小バカにしたような言い方だったんだから…。』




膨れっ面のチカから話を聞いて、私はその人に若干興味を持ったけど、すぐテスト勉強に戻ったから、じきにその人の話は頭の中から抜けてしまった。

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