第17話

そして1日3教科というテスト週間が終わり、休み明けには採点済みの全教科の答案用紙が各自に返却された。




まぁ…先生が事前にテストに出題する所を言ってたのと、ほとんどが教科書からの出題だったって事もあって高得点続出だったらしい。




徹太『あ~ぁ、もう少し高いかと思ってたんだけどな…』

夏穂「小広君は随筆で間違ったんだね…。私は最初の活用形派手に間違えちゃったよ…。」

徹太『そっか、柄畑さんって国語苦手?』

夏穂「う~ん…社会が特に苦手だけど、国語の品詞とか活用形も同じくらいダメ…。」

徹太『へぇ…じゃあ柄畑さんって典型的な理系タイプなのかもね?』




小広君が私の答案用紙を見ながらそう言ってくる。

私の結果は平均よりも若干高いくらいで、理系科目の英語、数学、理科は早めに手をつけた事と塾のテスト対策で過去問を解いたりした事が効を奏したのか、なんと学年1位をとっていた。




だから休み時間になっても私は周りの席の子達とテストの結果や何処が間違っているかについて話していた。




友①『今回のテストは高得点続出だったらしいね?』

友②『数学のテストの…ここって、答えなんだったか分かる?』

夏穂「それは…先に通分して計算しないと、この前先生が言ってたやつで…」

友③『そうそう、それから積の計算をして…』

友②『あっ…そうだった…』

友④『さすが、学年1位ね』

友③『ちょっと、私は~?』






…なんて話していたら…




ドアの方から少し大きく「え?」って言う声が聞こえてきた。






疑問に思って声がした方を見ると、一人の男子がこっちを見ながらドアの近くに突っ立ってる。


その子は背が男子の平均より少し高いくらいで、明るい茶色のサラサラな髪はロン毛程ではないけど少し長めの全体的に整った顔の男子。




…?

見覚えがないなぁ…。






友達『何?ってか誰?あの人?』

??『理系科目の学年1位って…君?』

夏穂「…そうだけど…何か用?」






あ、固まってる。




みんなで不審がっているとそこに小広君が戻ってきた。








徹太『あれ?…葉立?』

夏穂「あ、小広君…。この人、小広君の知り合い?」

徹太『うん。隣のクラスの葉立光行だよ、僕の親友なんだ。』

夏穂「それって1組?」

徹太『うん。』

夏穂「じゃあ、チカのクラスか…」




そんな事を話している間も葉立さんはずっと固まってたんだけど…






徹太『…で葉立、僕に何か用?』




って小広君が言った瞬間、彼にスイッチが入った。






光行『違う…俺が用あるのはヒロじゃなくてアイツ!』












そう言って葉立さんが指したのは私。






―って…私?!




私がビックリして固まってたら葉立さんはこう言った。




光行『江上だか江夏だか知らないが、俺と勝負しろっ!!』






いきなり勝負って…

突然すぎやしませんか…?

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