第14話
そんなある日の昼休み…
男①『徹太君食べるの遅いよ~。』
男②『昼休み終わっちゃうよ~?』
小広君が仲の良い男子に絡まれていた。
その頃、小広君のお弁当はちょうど良いサイズがなくて、一回り大きいお弁当箱を使ってたから、男子の中で割と少食の彼にとって食べ切るのは大変だった。
徹太『ゴメン…、もうすぐ食べ切るから…』
男③『でもまだ半分近く残ってるよ?…大丈夫?』
徹太『…ウン。』
男①『じゃあ徹太君が食べ終わるまで俺達廊下で話してるからな~。』
男子達が撤退して5分くらいしたら辺りを見回して、一部始終を見ていた私に
徹太『…ゴメン。柄畑さん、コレ(まだ3分の1位残ってる)全部食べ切った事にしてくれる???』
…と言ってきた。
小広君の顔…すごく真剣だな…
それに小広君のお弁当見るからに量が多すぎてかわいそう…
夏穂「ウン、いいよ。」
徹太『ありがとう。…でも僕、柄畑さんには嘘つかせてばかりだよね…』
夏穂「え?どういう意味…?」
徹太『ほら…、小4の時も…』
夏穂「あ、あぁ…アレね?」
徹太『あのあと柄畑さんと気まずくなっちゃったから…』
夏穂「で、でも…ホラ!今回は嘘じゃなくて秘密でしょ?」
私が苦し紛れにフォロー(?)したら、小広君は笑ってお弁当を片付けると、廊下にでていった。
…そっか、やっぱり小広君も小4の時のこと気にしてたんだ…
私は最近まで
「自分のせいで小広君の想いを台無しにしてしまった、そのせいで小広君に失望された」
と思っていた。
でもそれは私が思っていたのと違って、彼が気にしていたのは『私に嘘を吐かせてしまったこと』と、『それがきっかけで気まずくなってしまったこと』だった。
それに私は小広君が必死に(?)お弁当を食べ切れなかったのを隠そうとしてる所がとても可愛く思えたし、優しくて、すぐに友達の事を気遣う所とか小学校の時から全く変わってなくて、ちょっと嬉しかったなぁ…。
私は胸の奥に若干の温もりを感じながら、次の授業の準備に取り掛かった。
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