第9話
…翌日。
私は毎朝HRが始まる1時間前には学校に着いていた。
もちろんいつもクラス一番乗りだったんだけど、…その日は違った。
夏穂「…アレ?勇姫に古田さん…?おはー」
古田『夏穂、ちょっと来て。』
ドアを開けるなり古田さんは私のランドセルを掴み、私は半ば引き摺るようにして隣の空き教室まで連行された。
何だろう?私…2人に何かしたっけ?
不思議に思いながら2人の顔を見比べていると、古田さんがドアを閉めて戻ってきたのを確認して勇姫が口を開いた。
勇姫『ねぇねぇ、昨日徹太と何話してたの~?』
夏穂「………は?」
古田『だ~か~ら~、昨日の放課後、徹太と話してたじゃん?もしかして告白~??』
意味が分からず、私が二人の顔を見返すとニヤニヤと笑っていた。
ってか勇姫…鈍過ぎでしょ!
あの状況見てたら誰だって分かるのに…
ホント少女まんがの主人公みたいだな…
話を聞くと、2人は昨日の帰りにあの現場を目撃したらしい。でも話してた内容は聞こえなかったから何を話していたのか気になったんだそうだ…
どんな話って…小広君が勇姫の事を好きって話だよ!!
全く…何で女子ってこういう事を噂したがるんだろう…
とりあえず本当の事を言うわけにもいかないし、激しく否定したら逆に疑われるのが分かってたから普通に返した。
夏穂「ただ単に忘れ物を取りに戻ったら小広君がいたから、忘れ物を見なかったか聞いただけだよ?…クラスの男子もいたし…。」
古田『えー?でもいい感じだったし…』
夏穂「それに私、今好きな人いないから。」
そう言って私は古田さんの言葉に耳も貸さず、空き教室を後にした。
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